裏切り者の君へ
気づくと來夢は雪也に抱かれることばかり考えるようになっていた。
まるで自分が淫乱な女になったようで戸惑った。
本来の自分はこんなではないのに、そうさせているのは雪也だ。
いつまでも何もしてこないから自分は朝から晩までセックスのことばかり考えるようになってしまった。
雪也に対して怒りを感じた。
もしこのままずっとセックスレスが続くようだったら浮気してやる!衝動的に怒りが頂点に達した時、そんなことを思ったりもした。
でもすぐにその言葉を訂正する。
雪也じゃないと駄目なのだ。
自分が抱かれたいのは雪也なのだ。
他の男では駄目なのだ。
雪也以外の男には指1本たりとも触れて欲しくない。
夜、ベットの中で自分で自分を慰める。
雪也の唇、声、雪也の指を想像しながら。
上りつめた快感の後に訪れたのは虚しさだった。
体を震わせて來夢は1人泣いた。