NEXT 2U
 ファイルに無造作に挟まれたプリントが一枚、はらりと床の上に着地した。
 入学当初に配られたクラス座席表。
 右隅の「吉田誠」を凝視する。
 この名前を呼ばれ、緊張やら期待やら初々しい高揚感と共に「はい」と起立したのは四月のことだ。さほど前ではないのはカレンダーを見ずとも明らかなのに、すでに忘却の彼方だ。
 前期入試の合格発表、中学校の卒業式。言うまでもない。いろいろあったけど毎日はあっという間に過ぎて行った、報告以上。
 最近老けたかな。
 それはないか。俺の成績は下がっちゃいない。
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