ずっと君だけを…
ありがとう。せんせぇ。優しいね。タクと大違い。
「私なんか、優しくしたって無駄だよ。タクがいる限り」
タクがいる限り―――
「無駄なわけないだろ!」
せんせぇは、そのまま私を、自転車の後ろに乗せた。
「しっかり、つかまってろよ」
そう言って、自転車をこぎだした。
「心配した…」
「え? どういうこと?」
「夕方、家へ帰ろうとしたら、道にこの自転車とこのキーホルダーが落ちてた。電話をかけても、でなくてさっきの電話でやっと…」
せんせぇ。そこまで、心配してくれたの? ごめんね。私が悪いんだ。私が…