檸檬の黄昏
午後になり。

茄緒が朝のアルバイトを終えて事務所で業務を始め、一時間経過した。

敬司と耕平は視察と言い残し外に出ており茄緒だけが残されているが、事務作業も今日はあまりないので奥の部屋の物置部屋の片付けを行っていた。


実は茄緒が事務所に出勤してきた時、エアコンの効いた涼しい室内で二人が閉めきった室内で煙草を吸っていたため室内に煙と臭いが充満し、白く曇っているほどだった。


いつもはある程度、窓を開けたり外で吸っているのだが暑いので外へ出なかったこと、話しが長くなったことが原因だ。


空気清浄機も頑張っていたようだがそれ以上の空気汚染であった。


理由などはどうでもよい茄緒は、無言でエアコンのスイッチを切り事務所の全ての窓を開け換気する。


唖然とする男二人に向かい煙草は外で吸って下さい、と念をおし、追い出したという方が正しいかもしれない。


外は気温三十度を越えており、そんな中の片付けは少し無謀だったかもしれない。

重い荷物もあり動くので汗をかいてしまう。

換気も出来たようなので窓を閉めエアコンのスイッチを入れた時だ。

事務所のドアにひとりの人影が映り、乱暴にドアが開く。

廊下を大きな足音を起てて歩いてくる。
茄緒は気付き顔を出す。



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