好きだから傷付ける
美空「大丈夫だよ、鬼藤くん。
失敗は誰にだってあるから。」
雅來「...許してくれるのか?」
意外と早い返答だった様に思う。
まるで、鬼藤くんはその言葉を
待っていたかのような印象にも受け取れる。
美空「鬼藤くんは悪くない。
知ってるよ、鬼藤くんは
誰かの為にしか人を傷付けない。
いつも誰かの為に戦うんだ。
でもね、守られた人は少しだけ
後悔するんだよ。自分が強ければ
良かった。自分が我慢すれば
良かったってさ、いつも皆
自分を助けてくれた人の事を
悪者にしたくないんだよ。」
鬼藤くんはまた目に涙を溜めながら
今度は睨むではなくじっと
私の事を見つめていた。