好きだから傷付ける

雅來「なんなら、俺。
毎日、晩飯作りにくるけど?」

美空「でも、バイトは?」

雅來「1週間休み貰うつもり。」

鬼藤くんも鬼藤くんだ。
これから先の生活の犠牲になるような事を
自ら進んで引き受けなくてもいいのに。

美空「自分の事は自分で何とかするから。
鬼藤くんは構わずバイトに行って。
いっくんから貰ったお金もあるし
大丈夫だよ。」

雅來「でも、強盗に入られたら?
帰り道、ストーカーに追いかけられたら?
滝川は1人で何とか出来るのか?」

そこまでの事は考えていなかったから
口を噤んだ。もしも...なんて
そんな危機管理能力は備わっていない。
そもそも私は目立たない人間だ。
モテる人達とは違うんだ。
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