好きだから傷付ける

こんな料理上手な人に毎日
下手くそな料理を振舞っていたかと思うと
惨めになって、泣いていた。

雅來「滝川!どうしたんだよ!!
不味かったか?悪い。急いで
作ったから味見してなかった。」

美空「...美味しい。」

雅來「...じゃあ、何で泣いてんだよ。」

美空「美味しくって惨めになる。」

雅來「は?」

美空「料理上手な鬼藤くんに
毎日美味しくないお弁当を
食べさせてたかと思うと惨めになる。」

鬼藤くんは私の顎を右手であげ
左手で涙を拭う。

雅來「何言ってんだよ。
俺にとっては滝川の料理が
世界で1番美味い。」

鬼藤くんのその笑顔を見たら
更に涙が溢れ出した。
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