好きだから傷付ける
次の日から私の目覚ましは
鬼藤くんのインターホンになった。
2人で朝ご飯とお弁当を作って
登校し、授業を受け、お昼休みに
お弁当を食べる。
また授業を受け、放課後は
アヴニールへと送ってくれて
鬼藤くんはバイトへ行く。
バイトが終わるとまた迎えに来てくれて
私の家に帰り、2人で夕ご飯を作り食べる。
代わり映えのない毎日が幸せだった。
今日は日曜日。
鬼藤くんと2人きりで
過ごせる最後の日。
午前中はバイトのため
鬼藤くんのバイトが終わる時間に
駅前で待ち合わせをした。
鬼藤くんを驚かせたくて
日頃のありがとうを伝えたくて
私はクッキーを作った。
ベタだけどハート型のやつ。