好きだから傷付ける
雅來「今日は何か食って帰るか?」
美空「...最後の夜だから...
一緒に...いたい。ずっと。」
雅來「え?」
暗闇でも分かる。
鬼藤くんの頬は今、真っ赤だ。
美空「いっくんが帰ってくるのは
10時だから。明日の朝
学校行っちゃえば平気だよ。」
大胆になったなと自分でも思う。
少し前までの私は
こんな事を言える人間ではなかった。
でも、この気持ちは全部伝えたい。
余す事なく全部。
雅來「いいのかよ?」
美空「鬼藤くんなら、いい。」
いつも通り家に帰った
私たちはやっぱり少し
ぎこちなくてどこか不自然で
鬼藤くんの緊張が伝わってくる。