好きだから傷付ける

雅來「破片あると危ないから
そっちにいて。」

ソファに優しく降ろしてくれた
鬼藤くんの腕を私は掴んだ。

焦っていた。迷わない内に。
気が変わらない内に鬼藤くんと...

美空「後でいい。」

雅來「でも、危ないから。」

美空「...今じゃなきゃ...ダメだよ。」

鬼藤くんは私の頭を優しく撫で
ふっと小さな微笑みを浮かべた。

雅來「すぐに済むから。
滝川は寝室に行ってて。」

勇気を振り絞ったけど
それ以上はどうしていいのか
分からなくて、言われるがまま
私は寝室へと向かった。

でも、鬼藤くんはなかなか
やって来なかった。
帰っちゃったのかもって
不安になった。
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