好きだから傷付ける
至る所から様々な声が聞こえてきた。
鬼藤くんの噂話はこれまで何度も聞いた。
誰を殴っただとか、血まみれで
学校へやって来ただとか。
確かめもせず、私はそれを
本当の事だと思い込んでいた。
でも、今なら分かるんだ。
例え、それが本当だったとしても
鬼藤くんの気持ちまでは
私を含めた皆には分からない。
客観的に見た事だけを鵜呑みにしては
いけないんだと思った。
雅來「悪い、梧。金貸してくんね?」
木島「確信犯だろ、雅來。
金も持ってないくせに
普通、購買になんて来ないだろ。」
美空「私が払うよ。」
雅來「いい。」
美空「払わせて。昨日
家まで送って貰ったお礼だから。」
雅來「お礼って元はと言えば俺が...」
美空「でも本当に助かったから。」