好きだから傷付ける
勇気が出なかった。
鬼藤くんの分のお弁当も
作ってきただなんて言ったら
嫌な気分になるんじゃないかと
思うと言えなかった。
友達になろうと言われたくらいで
手作り弁当なんて作る私の事を
軽蔑しないだろうかと心配になった。
鬼藤くんと関わるようになってから
私は心配事が増えたように思う。
ーガチャ
屋上でしばらく待っていると
綺麗な金髪を靡かせた
鬼藤くんがやって来た。
雅來「あれ?今日は弁当なんだ。」
美空「昨日はたまたま
作れなかっただけだから。」
雅來「そっか。」
隣に座る鬼藤くんにバレないように
私はそっともう1つのお弁当を隠す。