好きだから傷付ける
美空「すみません。」
鬼藤くんの背中は見た目よりも
広くて大きかった。
廃ビルの階段を一段一段
丁寧に降り、夜道を歩いた。
雅來「家、どの辺?」
美空「風車の丘の近くです。」
雅來「分かった。」
私の荷物を持ち私をおぶる
鬼藤くんの事が心配になった。
美空「あの、鬼藤くん。
...重たくないですか?」
雅來「重くない。」
美空「やっぱり私、歩きます。」
降りようとする私の背中を
鬼藤くんはキツく抱き締める。