好きだから傷付ける

木島「俺、中学の頃いじめられててさ
毎日酷いいじめに遭って
もう死のうかなーって
橋の上から身を投げようとしたんだ。
そしたら、雅來が現れて
俺の体を無理矢理持ち上げて
地面に横たわる俺の事を殴った。」

木島くんは遠い空を眺めながら
懐かしそうな表情を浮かべた。

木島「ふざけんな!お前はバカか!
自分は良くてもな、悲しむ人がいるんだ。
お前だけの命じゃない。
お前の命は家族、皆のものだ。
そんな説教を垂れる雅來に俺は言った。
違う。これは俺の命だ!
赤の他人には関係ねぇ!って。
そしたら、また雅來は俺の事を殴って
すげぇ辛そうな顔しながら言ったんだ。
赤の他人でも俺は目の前で
お前が死んだら悲しい。
なぁ、木島。今日からお前は
俺の友達だからって。
驚いたよ。まさか雅來が
俺の名前、知ってるなんて。」
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