好きだから傷付ける

屋上から続く階段を駆け下り
教室へと向かう。

美空「鬼藤くん!!ごめんなさい!」

雅來「どうしたんだよ。いきなり。」

美空「本当は流れに流されて
付き合っただけなのかなって
考え始めたら分からなくなって
鬼藤くんの事、避けてた。
本当に鬼藤くんの事
好きなのか分からなかった。
LIKEなのかLOVEなのか
私には分からなかった。」

お弁当を食べる手を止め
鬼藤くんは私に笑顔を見せた。
いつも見る笑顔じゃない。
ほんの少しぎこちない笑顔。

雅來「知ってたよ。滝川が俺の事
何とも思ってない事は。
でも、それでも一緒に
いられるのならいいかなって
うやむやにして誤魔化してた。
いいよ、滝川が友達に
戻りたいのなら戻っても。」

私は首を大きく振った。
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