好きだから傷付ける

雅來「動くな。危ないから。」

美空「すみません。」

大人しくなったのを確認すると
また鬼藤くんは歩き始めた。

雅來「あのさ、滝川。」

美空「何ですか?」

雅來「頼れよ。困った事がある時は
俺に頼れ。俺が必ず助けるから。」

ヒーローみたいなセリフだった。
鬼藤くんは私が思うよりも
いい人なのかもしれない。

美空「聞いてもいいですか?」

雅來「何?」

美空「さっきの...場所はどこですか?」

雅來「俺の家。」

あんな廃ビルみたいな場所が
家だなんて有り得ない。
もしかして私、鬼藤くんに
からかわれてるのかな?
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