好きだから傷付ける

鬼藤くんがいなくなってから
携帯を確認するといっくんからの
着信が沢山残っていた。

ープルルルルル

樹「美空?お前、こんな時間まで
どこにいるんだよ。」

美空「ごめん。図書館で
勉強してたら夢中になっちゃって。
今すぐ帰るね。」

樹「1人で平気か?」

美空「うん、平気。」

樹「何かあったら連絡しろ。」

いっくんの優しさに触れながら
勉強道具を片付けるとアヴニールを出る。

ここから私の家までは徒歩15分。
さほど遠くない距離だ。
だけど、あまり夜出歩かない私は
ほんの少しだけ心細かった。
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