あのころ 本気なこころ
どこから話せばええんかなぁ
やっぱり…必ずここに戻って来てしまう。いくら月日が経っても鮮明に覚えてるあの時間。長い話やけど付き合って聞いて欲しい。
〜 あの時に帰る前に
人間の感情は分かりやすく言うと喜怒哀楽ってあるけど、恋愛に関してはそれ以上に細かく繊細やと思う。人を愛しく思うという気持ちは誰にも分かり得ない本当の自分のあったかくて、優しくて、ドキドキして、その反面とても もろくて傷付きやすく切なく苦しくて辛さも持ち合わせとる例えようのない真実。ちょっとナルちゃん入ったけど、まぁそんな感じじゃないかなぁと。前振りはここまでにして、本題へ。
君との出会い〜想い〜恋。
はじまりは何気ない何処にでもある普通の高校の授業中、右斜め前45度に君はいた。
入学した後、数ヶ月はソワソワして周りを見回していろんな男、女と話したり遊んだりして毎日を過ごしとったんやけど…なにか、なんか、なぜかいつも見える景色が全部ぼやけとるような 色がないような 時間がずれてるように見えるようになって 周りは変わらんのに自分が世の中に冷めてしもたんかなぁ…とか、今の自分に飽きて来たんかなぁ…とか物足りないっていうか満たされて無い自分に自分自身が嫌いになって偽りの自分を作り出して学校行っとったんやけどだんだん面倒くさくなってきて学校も遅れて行ったり、バイトばっかりして話したと思うけど京都にしょっちゅう行って何か埋まるかなぁって。
いろんな子からお誘いあってふらぁーっと着いて行ったり、もて遊ぶつもりなくてもそんな風に見られたり、男も女も所詮、なんてすさんできたころ…君を見つけた。
いつものように学校で授業受けとると、いつもと違うそこだけカラーでキラキラしたとこを見つけた! 右斜め前45度! なんで?今まで見えなかったのか?見なかったのか?あったかい春の香りと一緒に君を見つけた!
その日から妙にソワソワして長い眠りからホントの自分が目覚めていくのがわかった。全然話した事ない君に一歩手前で声かけれず、でもその微妙な距離感がなんかとても新鮮で心地いい本当の自分がワクワクしてた。ただ毎日同じ時間を左斜め後ろから見てるだけで充分やった…はずなのに。最近、なんか変わったなぁとかどうしたん 好きな女出来たんとか周りの奴らが何か感づいた。あいつがまさか彼女つくるんけ!なんて言われるようになった。今まで散々女っ気跳ね除けて来たのにまさか⁉︎なんて事も、ただ君への想いは誰にもバレる事無いままきたと思っていたら親友二人がストレートに君さんの事が好きやろ!なんて声かけて来た。
はぐらかしてみてもバレバレでオレの性格知ってるから背中を押してくる。 優しい友よ感謝。
雨がしみる頃
梅雨の雨で肌寒く雨が嫌なぁと思う季節、心が悲鳴を上げる時がきた。休憩時間に君達のグループから話し声が聴こえてきた、君さんは誰誰が好きやんなーと一言、それに対して君は否定せずにむしろキラキラしてた。夏の前に秋を感じた。親友は俺の気持ちを察してくれた、優しかったなぁ〜。そんな君への想いを心のいちばん深いところにしまい込んでなーんも無かった様に振る舞った。親友は優しかった。そっと肩組んで笑ってくれた。それからはもう一歩離れた所から君を応援しようと思うようにした。普通に話せるほど仲良くなったけど、また一歩下がった気がした。親友は優しかった。ほんの少しの光を求めてさまよい続ける毎日。冗談ぽく君に [俺、君の事が好きなんやにゃー] 言う事が出来るほど仲良くなったのに、結果が必ず辛いのがわかったから、傷付くのが怖くて、自分を守る事にかこつけて告白できんかった弱虫で卑怯な俺。
親友たちは色々気使ってくれてるのが痛かった。申し訳無い!俺の事なんかほっといてくれたらええのにこいつらは!優しかった。
このままやとあかん。前に進むんじゃ無い、踏み越えて行こうなんて思い始めた。
こんな俺でもたまーに想いを告げてくれる子がいた。でも、どうしても受け入れる事が出来んかった。ただのカッコ付けたはりぼての俺。中身が無い案山子。またあの頃のように見せかけの自分を装う日々の生活。
こんな俺でも…考え方
高校の文化祭体育祭の準備、練習、周りにソワソワした女の子のグループが妙に接近してきた。少し下の彼女達。そんな彼女達の中に君とは違う光を持った いや違う光じゃない、ちょっと前に俺の鏡になったような想いを告げる事よりそばにいるだけで満足する事を選んだ彼女。分かりすぎるくらい不器用な彼女、なんか可愛いかった。どういう経緯か親友が、俺に会いたい女がおるし、会ってやってくれや!なんて言うてきた。何も考えず会いに行った。あの可愛い彼女やった。ソワソワしてどうしたらいいかわからない彼女、今まで遠くから見てるだけで充分やったのに、どうしよう⁈なんて声が聞こえるくらい動揺してたなぁ〜。からかうつもりは無かったけど彼女の瞳に映り込んだ俺がわかるくらい近づいてみた。嬉しいより緊張で小刻みに震えてるのがすごく可愛いかった。この子なら俺の事受け止めてくれるかなって?三分前にあった彼女に今日の夜、連絡するし家おってな!ドキドキした眼差しで俺に名前と電話番号を教えてくれた。俺自身がここまで大胆に押した事が無かった事に去り際に気づいた。体育祭の打ち上げで同じ組のみんなでカラオケ店経営する親を持つ友人の所へ集団でお邪魔する。みんなそれぞれにワイワイガヤガヤ、俺はそっとその場を離れて昼間の約束を果たしに公衆電話へ向かう、いつもになく緊張する俺がわかる。メモを広げていざ、3回目のコールで彼女が出てくれた、ホッとした。なにを話したか忘れたけど今日あったばかりの彼女に言った事は覚えてる [今日あって直ぐにこんな事言う俺は信用出来んやろけど、明日から彼女になって俺だけを見て 俺も君だけを見るから] 彼女は電話越しに一言 うん。俺は照れ臭そうに彼女に明日からよろしく。めっちゃ素直なおやすみを言えたのを覚えている。
あんなに君に夢中で何も受け入れなかった俺やけど大きな一歩、前に出れた。
次の朝、普通に電車に乗るとそこに彼女達のグループがソワソワ、その中に俺をそっと見つめる彼女、俺は人目も気にせず彼女の近くへ行き、耳元でおはよう、今日からよろしく。そしてその場から離れた、後ろの方がワイワイガヤガヤキャーキャーうるさかった。なんか嬉しかった。
ざわつく周囲 罪と罰、優しさ
その日から彼女達のグループはぐいぐいやってきた。周りに押されるままに彼女との時間を作り、色んな事を話したなぁ、たわいない会話 学校の事 周りの事 最近の流行り 話す事はいっぱいあった、夜も毎日電話してたなぁ。放課後はいつも二人で話して二人で帰る毎日、あきらかに周りの視線は棘があった、俺はそんなこと気にせず彼女との距離を縮めた、俺の周りの友人達は応援してくれてた、いま思えば調子乗ってたかなぁ、朝は流石に一緒に通学は出来んかったけど、放課後はいつも一緒、傘もわざと忘れて彼女に甘えた。周りからは目立ってたわなぁ。 心の奥底に隠してしまい込んだ真実を忘れかけてた頃、彼女の友達から嫌な事を聞いた、彼女とその友人が帰宅途中の電車で他校の女子グループに絡まれて少し痛い思いをしたみたい 俺は彼女に何気にその事を聞いた、本当のことやった、どうも俺と彼女がイチャイチャしとるのが気に入らないみたいやて。友人に相談したら、そりゃそんなこともあるわ!やて、おめぇら周り全然見えてないもん、わしらは知っとるから気にもならんけど、俺に親友が一言、過去の悪事忘れんなよ。直ぐに意味がわかった、彼女に謝った。彼女はそれでも俺が好きと言ってくれた。ちょっと視野を広げて彼女を守るべきを考えるようになった、時間がある時は最寄り駅まで送ったりした。だいたいの犯人がわかって相手に話つけに行こうとしたら彼女に止められた、納得出来んのになんで我慢すんやって悪くないのにおかしいやん、彼女 [私だけ我慢すれば誰も傷つかんやん] あほか! 怒鳴りたい気持ちで彼女を見たら今日一番の優しい笑顔、また彼女に謝った。俺の勝手な行動で傷ついたり泣かしたりしてごめんよー。彼女を抱きしめる事しか出来ない俺、ガキやな。数日後彼女達からもう絡んでくる事無いと思います、はて? 誰か動いたんけ?彼女達に聞いたら私らが絡まれとるの見て〇〇先輩らが助けてくれて、話つけてくれたと、まー一応面識無い〇〇さんらに話に行く事にした、御礼ついでに。〇〇さんらは俺らの事は知っとったし、たまたま後輩がやられとるのに出くわして黙っとれんやん!そんだけやし彼女の事大事にしたってや!やて、カッコええやん。でもそれだけでそこまで…。帰りかけた時、あの子が一番に話つけに行ったからやでと指差す先に 君が笑顔で手を振っていた。心の奥底にしまい込んだ君、何もかも俺のことわかってくれてたみたい。同級生やけど頼もしいお姉さん達、そしていつも右斜め前45度の先にいた君、今は愛おしい彼女がおるけど…。 君のこと好きで好きでたまらなかったこと 伝えられなかったけど今は良かったと思う、これからも遠くから光をみつけるから。
何年か先、その時は大人になった俺が君に見つけたもらえるくらい輝いていたい。。。