幼なじみはイケメン君

「ごめん!」


「えっ、拓也ま…。」

逃げるように走りさっていってしまった。


抱きしめておいて、置き去りにしないでよ…。

ただ呆然と立ちつくす。





いまの…夢じゃないよね?

そう疑ってしまう心に

胸のドキドキと腕に残る鈍い痛みが、ウソじゃないと証明してくれる。



思考回路がうまく回らない頭で、自分に起きた出来事を、ボンヤリと振り返る。



拓也、あたしと離れるの“寂しい”って言ってくれたよね…。


< 34 / 78 >

この作品をシェア

pagetop