幼なじみはイケメン君
昇降口を開けると、冷たい風が入ってきた。
「寒いね~。」
でも、拓也とつないでる左手だけは暖っかい…。
「はい、これ貸してあげる。」
そう言って拓也が差し出したのは、毛糸の手袋。
あれ?でも右手だけ?
「こういう時、“彼氏”なら両方貸してくれるんじゃないの?」
“彼氏”
“かれし”
自分で言って照れてきちゃった~!
「いいの!左手は俺があっためるから。」
“ギュッ”
そう言って、繋いでいる手に力を込める。