幼なじみは年下の小悪魔男子


「「…………」」


しばらく、沈黙が流れる
痺れを切らしたかのように、奏多くんが


「あの……
それで、雪乃さんはどうして……」


─────あっ!
そうだった、肝心なこと伝えてない


でも、いざ言おうと思うと言葉が出てこない

ただ………
一言、伝えるだけなのに


「雪乃さん……
言ったじゃないですか」


「えっ?」


「俺には、遠慮しないで下さいって、ね?」

優しい笑みを浮かべて私を見つめてくる


─────映画館の時と同じだ……


< 296 / 419 >

この作品をシェア

pagetop