幼なじみは年下の小悪魔男子


「さっきも言ったけど……
今日の奏多…らしくないよ」


「………らしくない」


さっきもメンバーに言われたことと水無瀬は同じこと言っている


───────らしくない、らしくないって……

俺だって……

いつもならこんなことで────


「……じゃぁ、俺らしいって何なんだよっ!」

俺はギュッとユニフォームの裾を強く握って、いつになく自信の無さげな
小さな声を出していた


「えっ?……奏多?……ちょ……泣いて……」


──────いつもなら……
泣いたりなんてしないのに……


俺は泣いているのをタオルで隠して、その場を立つ




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