リライト
この一週間誰にも会っていないし誰にも連絡も取っていない。
もう何杯目かになるかわからないハーブティーを口に進める、喉通りがあまり良くない。
点灯を見て深く溜息を零した。夢か現実なのか正直今もまだよくわかっていない。受け止めれてないと言ったほうが正解かもしれない。
長きに渡った恋煩いは見事玉砕という幕引きで終わってしまった、せめて気持ちを伝えれば尾を引くことはなかったかもしれないけれどそれすら出来ずじまいだ。
ずっと引きずって泣き暮すんだと思い買い漁ったけれど、失恋の痛み以上にあの時のことが頭から離れず良いのか悪いのか、半ば忘れられつつありそうだ。
そっと口唇に触れてみた、今はガサガサで荒れに荒れまくっているけれどあの時ここに…
「……!何考えてあたし…!」
思い出し恥ずかしさに身悶える。いい歳した女があれくらいで、と言われるかもしれないがやはり慣れないものは慣れない。
失恋の痛手よりも、あたしはあの時の彼の言葉だったりキス…されたことがずっとリフレインされていて、心が何かに蟠るどうしようもない鬱蒼とした気持ちを抱えていた。
明日からまた仕事。あの人に会う以上に彼に会わなければならないことがひどく憂鬱だ。