リライト
「しかしどうして未久は貴志くんの事苦々しく見てるわけ?」
「あの子苦手なのよ、あたしには当たり強いし」
「そう?未久に構ってほしくて態とじゃないの?」
「えー、そんなの勘弁被りたいわ」
カフェオレを一口。飲んで溜息。
というか、彼の話をしたいんじゃなくてあたしは…。
その時からんからん、とお店のドアが開いた。けれども話に夢中だったから気付いてはいたけれど振り向かずに話を続けた。
「実はね、急なんだけど今日未久に彼を紹介したいなって思って呼んだんだ」
「今日!?ちょっと、急すぎるよ!化粧とか服、かなり適当なのに!」
唐突な話に慌てるけれど香菜ちゃんは至って冷静。
少し冷めたミルクティーを飲み干して、申し訳なさそうに眉を顰める。
「大丈夫よ、未久も知ってる人だから。
今まで話してなくてごめんね、相手の人、職場恋愛だから恥ずかしくてつい。」
「え!そうなの!全然わかんなかったよ、そんなん気にしないで!なかなか言えないだろうし」