どうしても、君が好き。


「城野?知らね」

家に帰って早輝に相談したはいいものの、早輝の返事は芳しくないものだった。

「どうしてよ!去年同じクラスだったでしょ?」

オレンジジュースを飲みながら、胡桃は早輝に向かって声を荒らげた。

「同じクラスではあったんだけど、城野のやつ、進んで他人と行動しようとしないし、話しかけてもほとんど『うん』しか言わないし、よく分からないんだよ」

去年のことを思い出しているのか、早輝は斜め上を見ながら話す。

「一個、あるけど。知ってること」

「何!?」

つい、勢いよく身を乗り出してしまう。

「それは————」
< 3 / 6 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop