どうしても、君が好き。
「城野?知らね」
家に帰って早輝に相談したはいいものの、早輝の返事は芳しくないものだった。
「どうしてよ!去年同じクラスだったでしょ?」
オレンジジュースを飲みながら、胡桃は早輝に向かって声を荒らげた。
「同じクラスではあったんだけど、城野のやつ、進んで他人と行動しようとしないし、話しかけてもほとんど『うん』しか言わないし、よく分からないんだよ」
去年のことを思い出しているのか、早輝は斜め上を見ながら話す。
「一個、あるけど。知ってること」
「何!?」
つい、勢いよく身を乗り出してしまう。
「それは————」