神谷ナツカの虚空

俺たちは他の部員を探すべく、他の場所に移動しようとしていた。…というか、ナツカ、部員確保してなかったのかよ！
「おい、ナツカ、これからなにするんだ？」
「そうなのよ、あとは部員が必要よね、少なくともあと3人は。」
「おいおい、あの剣持さんとやらを勝手に部員にしていいのか？何か、部活の備品か何かと勘違いしてるんじゃないか？本当に5人集まるのか？」
すると、ナツカは満足げに、
「ええ、心当たりあるって言ってるでしょ？、あと、明日も放課後ここに集合しなさい！忘れてたら死刑だからね！」

そして次の日、授業が終わると俺は文化棟に向かった。まだ死にたくはないからな。文芸部の部室に行っても全く声が聞こえなかったので、誰もいないのかと思い、ドアノブをひねった。
…中には剱持がいた。暇だから話でもしようか、と思い、
「なあ剱持、何読んでるんだ？」
と問いかけた。すると、表紙をこちらに向けてきた。そこには『恐怖！地球最大の自然災害』と書かれていた。ある意味この部活に剱持はあっているのかもしれないな。また、
「その本面白いか？」
と聞くと、
「…うん。」
と言った。相変わらず素っ気ないな。まあ仕方ないのかもしれないけど。
「ど、どういうところが？」
答えてくれないかもしれないけど。
「…話しかけないで。」
部屋の空気感さえも涼しくなってしまったじゃないか！するとそこにドアを突き破る勢いでナツカが入ってきた。
「良かった、シンいたのね！、部員連れてきたわよ！」
そこには、赤髪のえらく美人な少女がいた。俺、この部活に入って正解だったかもしれない！