神谷ナツカの虚空
「やあやあ皆さんおまたせしましたぁ!本日この東高校1年3組にやってきたニューフェイスかつ、即戦力の生徒!その名も…」
「川上大翔です。不束者でございますがどうぞよろしくお願いいたします。」
背が高く、眼鏡をかけていてえらい大人っぽい雰囲気の生徒だ。俺と同学年とは思えねぇ…。
「じゃあ川上君、よろしく!私は隊長の神谷ナツカ。そこに突っ立ってるのが隊員その1と2と3。何か困ったことあったら言ってね!」
「あのー、突然なんですがここは何をする部活なんですか?」
俺が知りたいよそりゃあ。
「それはね、」
おっ?
「宇宙人や超能力者や未来人を探し出して交流し、様々なデータを交換し合うことよ!」
何故か、世界の時が一瞬止まったように感じた。というのは単なる建前で俺は神谷の入学当初の、あの自己紹介を思い出していた。すると、川上は何故か、
「分かりました。さすが神谷さんらしいですね。」
と言った。なんで納得しているんだ?もう少し考えなおしたらどうなんだ?
「いいでしょう。入部します。」
まじかよ…。
「じゃあまず、お名前を伺いたいのですが…。」
「川上君の目の前にいるのがシン、眼鏡っこがユイ、でそっちのかわいい子がかりんちゃんよ!」
まさか、その名前で呼ばせる気なのか…。
「あっ…こちらこそ、お願いしま…あっ!」
ガタンッ
長谷川がパイプイスに引っかかってずっこけた!確かに、ドジっ子が可愛いというのは無きにしもあらず、といったところか…っと俺まで神谷みたいになるところだった。
「おっと、大丈夫ですか?」
川上は紳士的な対応を魅せた。あいつ、よく見ると俺よりイケメンかもしれないな…。いと悲し。
「はい、有難うございます。」
長谷川さんは頬を赤らめてそう言った。
「んじゃ、てことで我がKY隊も神秘のベールを脱ぐときが来たわよ!5人揃ったところだし、みんな一丸となって頑張って行きましょー!」
そういや、剣持も勝手にメンバーに入れられてるが、大丈夫か?本当にいいのか?お前にも、もちろん拒否権はあるんだぞ??
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