神谷ナツカの虚空
「私は、本当はこんなに早く転入するつもりではなかったのですが、まさか神谷ナツカがこんなにも的確に長谷川さんと剱持さんを集めるとは思えませんでしたからね。まあ、話はこれぐらいにして、詳しくはまた後に話します。今はとりあえず、私の存在について話しましょう。私が隷属している機関のこのようなエージェント的存在の人は私以外にも大勢います。現にこの東高校にもいます。もちろん、私以外で。私がここに送り込まれた理由は3年前にあります。3年前、世界を大きく変えるような変動がありました。世界を変えるのは人力を超えたもの、人間の言葉に置き換えると、神に等しいような存在です。長谷川かりんや剱持ユイや私が同じ場所にいるということは神谷ナツカが願ったからなのです。おそらくですが3年前に。私たちはそのような世界の変動を未然に防ぐために送られたものなのです。」
「じゃあ、直接ナツカに言ったらいいじゃないか。あなたには世界を変動する力があるのでくれぐれも変えないで下さい、と。」
「いいえ、そういう訳でもなく、彼女はまだ自分自身の能力に気が付いていないので、もしかしたら逆効果になるかもしれません。彼女には何事も起きない、あくまでも平穏な日々を送ってほしいのです。」
「なるほど、触らぬ神に祟りなしってわけか。」
我ながらうまいこと言ったな。
「そうです。お上手ですね。」
「じゃあ、試しにお前の超能力を見せてくれよ、例えばこのはっぱを動かすとか。」
そう言って俺は地面に落ちていた緑葉を取った。
「いいえ、私のできる超能力はそういうあからさまなものではなく、ある一定の条件がそろったときに初めて出てくるものなのです。今日はこの辺でおいとまします。ちなみに、失礼ながらあなたのことについて色々調べさせていただきましたが、安心してください、あなたは至って普通の人間です!」
その日、神谷は部活に来なかった。
「じゃあ、直接ナツカに言ったらいいじゃないか。あなたには世界を変動する力があるのでくれぐれも変えないで下さい、と。」
「いいえ、そういう訳でもなく、彼女はまだ自分自身の能力に気が付いていないので、もしかしたら逆効果になるかもしれません。彼女には何事も起きない、あくまでも平穏な日々を送ってほしいのです。」
「なるほど、触らぬ神に祟りなしってわけか。」
我ながらうまいこと言ったな。
「そうです。お上手ですね。」
「じゃあ、試しにお前の超能力を見せてくれよ、例えばこのはっぱを動かすとか。」
そう言って俺は地面に落ちていた緑葉を取った。
「いいえ、私のできる超能力はそういうあからさまなものではなく、ある一定の条件がそろったときに初めて出てくるものなのです。今日はこの辺でおいとまします。ちなみに、失礼ながらあなたのことについて色々調べさせていただきましたが、安心してください、あなたは至って普通の人間です!」
その日、神谷は部活に来なかった。