神谷ナツカの虚空
「俺は神谷と3年間同じクラスだったからよく知ってるけど、神谷のおかしさは稀に見るような奇人っぷりだ。神谷は生川の時も散々とんでも無いことをやらかし続けていたからな。」
彼は得意そうに話し続けた。
「代表的なのが大量土のう発生事件。」
「学校の運動場に汚らしい土のうを大量に作って変な模様を作ったんだ。しかも真夜中の学校に勝手に入ってね。それに中1で。ナスカの地上絵の劣化版のような感じで、確かその時新聞に小さかったけど乗ってた気がする。ある意味すごい奴だよ、神谷は。」
俺はナツカがそうい奴だってことをこの時なぜか何の疑問も感じずに信じていた。
「他にも朝教室に行ったら机と椅子が全部ごちゃ混ぜになっていたり、屋上にペンキで魔法陣を書いたりしていたな。」
「それをしたのがアイツだったんだな...」
その時俺は川口の話をあまり聞かずにナツカの方をみていた。彼女は空に向かって何かをかざしているような、何かを唱えているような、普段とは違う真剣に何かをしていた。
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