神谷ナツカの虚空
そのまま彼の話は続いた。
「それでも、神谷はモテちゃうんだよなぁ。運動神経はバツグンで成績もそこそこ上の順位だし何よりルックスがいいからな。多少変人でも好きになるやつなんか山ほどいる。」
すると隣にいた網本が言った。
「それにも何か黒歴史みたいな事件とかってあるの?」
そうするといかにも満足そうにまた話し始めた。
「ああ、もちろんさ。神谷は何故か告白されたら絶対に断らないんだ。多分本当に宇宙人とかそういう系統の人が来たと信じて承諾しているんだと思うけどな。そんな決め方だから、俺が知る限り、付き合った期間は最長でも12日、最短はなんと30分。これには流石にたまげたよ。」
「じゃあなんで了承してるんだよ!」
反射的に言ってしまった。
「それがわかったら苦労しないんだけどな。なんでか知らないけど神谷は断ることを知らないんだよ。」
「まあ、シン、お前が変な気を起こす前に言っておく。やめとけ。」
俺はもともとそういう気持ちで話しかけたんじゃないんだけどな。
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