神谷ナツカの虚空
俺と川上はまたタクシーを呼び、元来た道を通り、帰っていた。
「なあ、あの怪物を放置しておいても、対して影響は無いんじゃないか?あっちの世界とこっちの世界は違う訳だし。」
すると彼は形相を変えてこう言った。
「いいえ、絶対に放置してはいけません。放置し続けると、いずれ閉鎖空間が世界中を覆いつくすほどの大きさになり、この世界と閉鎖空間が入れ替わってしまいます。そうなると、やはり世界の破滅が訪れます。」
彼は一度大きく息を吸ってもう一度話し出した。
「ちなみにですが、私たちの集団はあの怪物のことを獣人と呼んでいます。獣人は神谷さんの精神状態によって出現したり、しなかったりします。もちろん、私は既に何の能力もありません。私に先ほどのような能力が何故付与されたのかは全く分かりませんが、おそらく適当でしょうね。」
「なんで、そんなことが分かるんだ?」
「分かってしまうのだからしょうがないです。理由なんて分かりません。」
彼は首を振りながらそう言った。気が付くと、周りは夜になっていて俺の家の前についていた。そういえば、剱持もいつぞや、気を付けろ、などと言っていたな。でも、流石に今すぐ何か起きるわけじゃないだろうな、と思いながら家に入った。俺は次の日、何が起きるかを知っていたらこんなに呑気では凍てられなかっただろうが。
第四章 開 終
「なあ、あの怪物を放置しておいても、対して影響は無いんじゃないか?あっちの世界とこっちの世界は違う訳だし。」
すると彼は形相を変えてこう言った。
「いいえ、絶対に放置してはいけません。放置し続けると、いずれ閉鎖空間が世界中を覆いつくすほどの大きさになり、この世界と閉鎖空間が入れ替わってしまいます。そうなると、やはり世界の破滅が訪れます。」
彼は一度大きく息を吸ってもう一度話し出した。
「ちなみにですが、私たちの集団はあの怪物のことを獣人と呼んでいます。獣人は神谷さんの精神状態によって出現したり、しなかったりします。もちろん、私は既に何の能力もありません。私に先ほどのような能力が何故付与されたのかは全く分かりませんが、おそらく適当でしょうね。」
「なんで、そんなことが分かるんだ?」
「分かってしまうのだからしょうがないです。理由なんて分かりません。」
彼は首を振りながらそう言った。気が付くと、周りは夜になっていて俺の家の前についていた。そういえば、剱持もいつぞや、気を付けろ、などと言っていたな。でも、流石に今すぐ何か起きるわけじゃないだろうな、と思いながら家に入った。俺は次の日、何が起きるかを知っていたらこんなに呑気では凍てられなかっただろうが。
第四章 開 終