神谷ナツカの虚空
俺たちは階段を下り、グラウンドに着いた。そこでは野球部がいつものように練習をしていた。具体的には壁当て、キャッチボール、ノックなどだ。神谷は俺たちよりも一足早くグラウンドに行っていた。
「野球部員の皆さ~ん!集まって下さい!」
神谷は声を大にしてそう言った。しかも、ちょっとかわいい感じの声で。
すると、彼らは練習をぴたりと止めて神谷の方を向いた。だが、その姿を見たとたんに眉を曲げた。
「なんの用だ?」
野球部員のボス的な奴がわざとらしく声を低くして言った。
「あのね、ここのコート全部とバットとかの野球道具、ちょっと貸してくれない?」
「あ?いったい何を言い出すんだ?」
「もしかして駄目とか言うんじゃないんでしょうね?私達は試合がもうすぐなのよ!ね、かりんちゃん!」
神谷はそう言うと、長谷川さんを引っ張ってきて部員達の前に立たせた。彼女はまだナース服だったので、手で下の端の部分を引っ張って、無意識にも色気を増していた。神谷はそれをも見込んでいたのか、いなかったのか、いずれにしろ、男ってのは単純で愚かな生き物であって、野球部員たちは、それに完全に目を奪われていた。
「おおっ!」
「いいわね!」
神谷が念を押していった。
「おう!」
野球部員は正に言葉の通り、口をそろえていった。
「野球部員の皆さ~ん!集まって下さい!」
神谷は声を大にしてそう言った。しかも、ちょっとかわいい感じの声で。
すると、彼らは練習をぴたりと止めて神谷の方を向いた。だが、その姿を見たとたんに眉を曲げた。
「なんの用だ?」
野球部員のボス的な奴がわざとらしく声を低くして言った。
「あのね、ここのコート全部とバットとかの野球道具、ちょっと貸してくれない?」
「あ?いったい何を言い出すんだ?」
「もしかして駄目とか言うんじゃないんでしょうね?私達は試合がもうすぐなのよ!ね、かりんちゃん!」
神谷はそう言うと、長谷川さんを引っ張ってきて部員達の前に立たせた。彼女はまだナース服だったので、手で下の端の部分を引っ張って、無意識にも色気を増していた。神谷はそれをも見込んでいたのか、いなかったのか、いずれにしろ、男ってのは単純で愚かな生き物であって、野球部員たちは、それに完全に目を奪われていた。
「おおっ!」
「いいわね!」
神谷が念を押していった。
「おう!」
野球部員は正に言葉の通り、口をそろえていった。