神谷ナツカの虚空
すると、川口がナツカがどこかに行ったのを廊下に出てまで確認してからこういった。
「おい、シン、お前、俺は神谷があんなに人と長い時間話してるとこ初めて見たぞ!?お前、神谷とどんなこと話してたんだよ!?」
「いや、大したこと話してないんだが...。」
すると、やはりと言うか既視感と言うか、彼は驚きながらいった。
「はあ!?全く、お前には人を超越した能力があるのかもな。」
「神谷みたいなこと言うなよ。」
俺が川口に呆れていると、そこに網本が来た。
「なになに、シンはもしかして変な女が好きなタイプの人なのかな?」
「勘違いが起こるようなことをいうな!」
そんなこといわそう思っていたとき、珍しく女子が俺のもとに近づいてきた。
「私もその話、聞かせて欲しいな。神谷さん、私が話しかけても何も言わないから。」
それは誰かさんが特に可愛いと評価していた、熊谷さんだった。
もちろん、川口は動揺していた。
「神谷さん、教室の中で誰も友達いなくて孤立してるみたいで。もし私が神谷さんに言いたいことが出来たら、あなたあなたからいってもらうようにするね。」
そんなことを俺がしなければいけないという義務は無い。そんなことありえない、と俺は思った。
「なんで俺がそんな召使いみたいなことしなくちゃならないんだよ!」
すると彼女は不敵な笑みでまるで『やらないと処罰する』と脅すかのように
「お・ね・が・い」
と言った。
そして彼女は女子たちの元に戻り、嘲笑うかのようにクスッと言った。
そして彼女を推している川口は
「なあシン、お前俺の友達だよなぁ!?」と。
どいつもこいつもバカばっか!
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