さよなら崩壊都市
コツ、コツ…
何かの足音が響いてくる。
なんだろう。こちらに近づいてるような気がする。

いや絶対にやばい奴っしょ!こんな変な所に出る奴なんて絶対にやばい奴だって。
逃げなきゃ、と本能的に解る。
瞬発的に私はダッシュしていた。

やばいやばい。絶対に近づいてるよ…
もうそろそろ息が切れる…
その時、薄暗い廊下の突き当たりに、非常階段が緑のランプに照らされて薄ぼんやり見えてきた。

あそこなら屋上に行けるはずだよね。
階段を登りながら少しだけ振り向いた。
廊下の先には、何か獣のようなものを被った者が、歩いていた……

ひいぃっ!あいつに捕まったらダメだろうな。
少しペースアップして階段をかけのぼると、
屋上には、3人位の少年少女が立っていた。


広がる空は真っ白で、やっぱりあの月が浮かんでいる。
眩しい……!!
急な強い光のせいか、私の意識はそこで途絶えた。

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