溺愛総長様のお気に入り。


俺が?

どうして煌さんが困るの?


そんな無言の問いかけに、ためらいもなく彼は答える。



「好きだから、愛莉のことが」


「……」



フリーズしてしまうあたし。


好き……。

好きって、なんだっけ。



「えっと、ちょっと意味が……」



その意味すら分からないあたしの頭は、完全におかしくなっちゃったのかも。


首を傾げて後ろに引き気味になると、それを許さないかのようにつかんだ手を引っ張られた。


そして、もう一度。



「わかんないの?だから言ってんじゃん、愛莉のことが好きだって」



────ドクンッ。
< 107 / 401 >

この作品をシェア

pagetop