溺愛総長様のお気に入り。
ふかふかなその生地は、必要以上にあたしを深く沈めて。
「なに勝手に離れようとしてんの?」
煌さんの両腕にがっちりホールドされ、耳元でそうささやかれた。
「……っ」
「逃がさねぇよ?」
ち、近いっ……!
「いてよ、そばに」
今度は逆に、甘えたような拗ねた声で。
ああああのぅ……。
背もたれを背につけたままの状態で動けないあたし。
ほのかにいい香りが鼻をかすめる。
煌さんの指が、頬に触れる……。
──ドキドキドキ……
こんなの、調子狂う。
この人、ほんとに暴走族なの?
こんな繊細な指して……。