溺愛総長様のお気に入り。
暴走族ってもっとこう……肉体的にもごつごつして男くささあふれるようなイメージだった。
想像と全然違うよ。
すると煌さんは態勢を変えて。
あたしの太ももの上に頭を乗せた。
「……っ」
声が漏れそうになって、慌てて手で押さえる。
ひ、膝枕!?
まさかこの態勢で寝るっていうんじゃ……。
視線を落とすと、上を向いたまますでに瞳を閉じている煌さん。
鼻が高く、小さい唇は軽く閉じられていて。
その口からはスースーと寝息まで聞こえてきた。
「ええっ……!」
もう寝ちゃったの?
「あの……あの……」
声を掛けて小さく足を揺さぶってみるけど何も反応はなく。
……どうしよう。
残されたこの部屋で、あたしはひとり途方に暮れていた。