溺愛総長様のお気に入り。


千春ちゃんは体温が軽く3度くらい上がったかのように頬を染めて喜んでいるけど、あたしは頭がクラクラした。


こんなことってあるの。


空いてた3つの席が、彼らのものだったなんて!


煌さんは、自分の席に不満そうに顔をしかめている。


それも当然。
教卓の目の前だもんね。


すると何を思ったか、また鞄を手に取った彼は教室内を一望し。


あたしで視線を止めた。


わっ、見つかっちゃった。

うっかり油断してた!!


煌さんは、そのまままっすぐこちらに向かって歩いてくると。



「どけよ」



あたしの隣の席の男の子にそう告げた。



「えっ……」

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