溺愛総長様のお気に入り。
黒羽の男の子は不良ばっかりでもない。
隣の男の子みたいに大人しい人ももちろんいる。
だから、あたしは何かと過ごしやすかったんだけど……。
「……早く」
「は、はいっ」
隣の男の子は、机の中身をひっかきだして鞄をとると、そそくさと煌さんがさっきいた席に向かった。
へ?
これは一体。
「俺たち隣みたいだな」
「……え」
みたいだな……って。
いま、明らかに自分で操作したよね?
「ってことでよろしく」
そう言うと、ハクさんに負けないような音を立てて椅子を引いて座った。