溺愛総長様のお気に入り。
……あれ?
指示通り呼んだのに、不満そうなのは気のせい?
彼はニコリともせず、むしろ不満げ。
すると
──ちゅっ。
そんな音とともに、おでこに柔らかく温かい感触が……。
「……!」
こ、これはっ……!
今、おでこに触れたものは……!!
「ひゃあっ!」
心構えもできてなかったせいか、本気で叫んでしまう。
え?なに?今のキス?
言われた通りにしたのになんでキスするの……!
無警戒だったし、よける暇もなくてまともにそれを受けてしまい、いま体中には鳥肌が立っている。
そんなあたしを見ても、彼は顔色ひとつ変えず。
「……なんかムカつく」
煌……くんは、あたしの膝の上に寝転ぶと、あっという間にすやすやと寝息を立てて。
夢の世界へ飛び立っていったのでした。