溺愛総長様のお気に入り。
拷問体力測定。
「愛莉っ!愛莉っ!」
翌朝、あたしはお母さんの叫び声で目が覚めた。
……はっ!
もしかして寝過ごした?
一瞬で夢の中から目覚め、布団をはぐけど……。
「なんだぁ……まだ大丈夫じゃん、ふわぁ……」
見えた時計の針は、まだまだ余裕の時間をさしている。
あたし、寝起き悪いんだ。
遅刻じゃないとわかったとたん、一気にまた睡眠モードへ。
「なにのんきなこと言ってるの!大変なのよ!!」
と思ったけど、お母さんの声がうるさくて寝ていられない。
「Gでもでたの?ふわぁ……」
お母さんの大変は、イケメン芸能人の熱愛報道とか、ゴキブリ(通称G)がでたとかそのくらい。
あたしにとっては大したことじゃないから、慌てることでもないと思っていると。