溺愛総長様のお気に入り。
「あなたいつの間に彼氏ができたの!しかもあんなイケメン!」
……ん?
「今来てるのよ、愛莉のこと迎えに来たって!」
「えええっ!?」
冗談にしては笑えないことをお母さんが言うものだから、今度こそ叫んで飛び上がった。
彼氏って……まさか。
あたしは彼女になった覚えはないけど、そういう人に覚えはありすぎる。
「髪が今風にカッコよく染まってて、顔なんてこーんなに小さくて、目も鼻も口もそれは整ってて、その辺の芸能人になんて負けないくらいのイケメンが!」
間違いない。
絶対に"あの人"だ……!!
内容からしてもう冗談だとは思えず、慌てて制服に袖を通し、階段を駆け下りる。