溺愛総長様のお気に入り。
「そ、それ……」
あたしの水筒だよね……。
まだ喉乾いてるから飲みたいけど、次にあたしが飲んだら、その……か、間接キスになっちゃう。
どうしようっ。
なんてドキドキしているのはあたしだけみたいで。
「なんだ、スポドリじゃねぇんだ」
って少し不満げに水筒を返された。
「ご、ごめんなさい……」
あたしは麦茶が好きだから、中身は麦茶なんだ。
あたしが口をつけた水筒とか、煌くんは、そんなことちっとも気にしてないみたいだけど……。
でも、あたしものどか乾いているから同じ水筒に口をつけて。
ひとりでどきどきしていた。
それからもペアの体力テストは続き。
長い長い2時間が終わったころには、あたしの魂は完全に抜け落ちてしまっていた。