溺愛総長様のお気に入り。


「そ、それ……」



あたしの水筒だよね……。


まだ喉乾いてるから飲みたいけど、次にあたしが飲んだら、その……か、間接キスになっちゃう。


どうしようっ。


なんてドキドキしているのはあたしだけみたいで。



「なんだ、スポドリじゃねぇんだ」



って少し不満げに水筒を返された。



「ご、ごめんなさい……」



あたしは麦茶が好きだから、中身は麦茶なんだ。


あたしが口をつけた水筒とか、煌くんは、そんなことちっとも気にしてないみたいだけど……。


でも、あたしものどか乾いているから同じ水筒に口をつけて。


ひとりでどきどきしていた。



それからもペアの体力テストは続き。


長い長い2時間が終わったころには、あたしの魂は完全に抜け落ちてしまっていた。

< 164 / 401 >

この作品をシェア

pagetop