溺愛総長様のお気に入り。
……標的?
ファンの子にやっかまれるとは別に……?
よくわからないけど、怖いことには間違いなさそう。
体の中に、ヒヤッとしたものを感じたとき。
「おい」
あたしの肩に乗せた南里くんの手を誰かが掴んだ。
「そのくらいにしとけよ」
「煌っ……!?」
南里くんの横には、いつの間にか煌くんが立っていた。
「無駄に怖がらせんな」
「無駄って、実際あんなことが昨日起きただろ!」
「心配すんな。絶対に俺が守るから。愛莉は……南里の大切な幼なじみだしな」
──ドキッ。
南里くんに向けて言った言葉なのに、あたしがどきどきしてしまった。
『絶対俺が守る』
昨日もそう言ってくれたっけ。