溺愛総長様のお気に入り。
どうして、あたし、なんだろう……?
あたしなんて、煌くんに好きになってもらう要素も、なにかきっかけがあったわけでもないのに。
今まで聞かなかったのもおかしいけど、ただの暇つぶしにも思えた煌くんの束縛は、いつになっても終わらなそう。
気長に待つ、とまで言われてしまった。
ほんとに、わからないよ……。
「愛莉~」
入れ替わるように、泣きそうな声で千春ちゃんが教室へ入ってきた。
リュックを下ろしもせず、あたしに抱き着いてくる。
「も~、心配したんだから~」
昨日のことはハクさんから千春ちゃんに伝わったらしく、夜千春ちゃんから電話が来たのだ。
南里くんといい千春ちゃんといい、情報が回るのが早すぎてもうびっくりだよ。