溺愛総長様のお気に入り。


「……っ!?」



あたしの唇に押し当てられる卵焼き。


な、なにをするのっ!?


いきなりのことで目を丸くするあたしに。



「ほら、口開けて?」



不敵に笑う煌くん。


……これは、逆あーん……?


閉じていてもグイグイ押される卵焼きに負けて、ゆっくり口を開くと馴染みのある甘い卵焼きが口いっぱいに広がる。


食べさせてもらうなんて、恥ずかしくてたまらないよっ……。


すぐに手を口元にあててモグモグとかみしめる。


そしたら煌くん、あたしの耳元に口を寄せて。



「だって、甘いの好きなんだろ?」


「……っ!」


「だったら、これからはたーっぷり甘くしてやるよ」



ささやかれた声に、体中の温度が急上昇した。

< 203 / 401 >

この作品をシェア

pagetop