溺愛総長様のお気に入り。
ひぃぃっ。
「ちょっ、まっ……!?」
あたし何されちゃうの!?
危機を感じた瞬間─────煌くんの頭はカクンと揺れて。
そのまま無意識にあたしの膝を探し当てるかのようして、こてんと頭をつけた。
限界って、なんだ、眠気のことか……。
煌くんはお昼ごはんを食べたあとは必ず寝ちゃうんだよね。
あぁ、びっくりした。
それにしても、あたしの膝はいつから枕になったのかな。
一度もいいって言ったことはないのに。
今日もあっという間に夢の中へ飛び立った煌くんの寝顔を見ながら思う。
……それでも、不思議と嫌じゃない自分がいて。
残り10分だけどチャイムが鳴るまであたしも休もうと、お弁当箱をしまうとそっと瞼を閉じた。