溺愛総長様のお気に入り。
可愛い……?
「そんな愛莉、誰にも知られたくない」
え……?
煌くんはなにを言ってるの?
「あの……意味がわかりません……」
可愛いって……誰のことを言ってるの?
だって、あたしは"やばい"んだよね?
……皮肉られてるのかな。
まだ目に涙をためたまま煌くんを見上げれば。
「ほらまた。だからその顔反則なんだって」
「……っ。ご、ごめんなさい……見苦しいですよね」
もう、今すぐ顔を洗ってきたいよ。
うつむき、謝るあたし。
はぁ……と深いため息をついた煌くんは。
「ほんとに分かってねえのか……」
独り言のように呟いて。
「分からなければその方が都合いいし、それでいいよ」
あたしの顎を軽く持ち、またあたしの涙を拭い……
ちゅっ……と、優しくおでこに口づけた。
「……!」