溺愛総長様のお気に入り。
暴走が終わった頃には11時を回っていた。
千春ちゃんは、ハクさんのバイクで送ってもらうみたい。
『俺が送ってく?』
って南里くんが言ったけど、バイクの後ろに乗るなんて恐ろしくてとんでもない。
その前に『他の男には送らせない』って煌くんがきっぱり断ったんだけど……。
いつものように、煌くんと一緒に車で家に向かうあたし。
「疲れただろ」
「大丈夫です」
いつもならもうすぐ寝る時間だけど、体が興奮して全然眠たくないんだ。
「愛莉の家までは30分くらいかかる。寝たかったら寝てもいいからな」
「平気です!」
勢い勇んでいったけれど……。
5分も車に揺られていたら、あっという間に睡魔に襲われてしまった。
やばい、こんなところで寝ちゃダメだ。
頑張ろうとしているのに重い瞼はすぐに落ちてくる。