溺愛総長様のお気に入り。
隠しごと。
放課後になって。
あたしはトイレに駆け込む。
鏡の前で髪をとかし、身だしなみを整えて、最後にほんのりピンクに色づくリップを唇に乗せた。
「よしっ」
これから向かうのは、あやめ。
その前にこんな風に身だしなみチェックとか、なんか恋する女の子みたい。
って、あれ?あたし……。
これじゃまるで煌くんのこと好きみたいじゃない?
そう思った瞬間、バクンッと心臓が鳴って胸が熱くなる。
な、なに……?
最近、自分じゃよくわからない感情に襲われる。
男ギライが治ったわけじゃないけど、煌くんは大丈夫。
むしろ、一緒にいて落ち着くし、早く会いたいなんて思ってて。
これって、何なんだろう。
自分の気持ちがよくわからないよ……。